HOME >> 伝統的なヨガ
長い歴史を経て生まれたヨガにはたくさんの種類・流派が存在します。
ヨガは大きくわけて伝統的ヨガと近代的ヨガの2つに分かれます。
伝統的ヨガは従来の宗教の修行法とするものです。
近代的ヨガは伝統的ヨガにエクササイズ要素を加えた現在のアメリカや日本などにみられるヨガのことを指します。
アシュタンガヨガは現在のパワーヨーガの源流ともなっているヨガのことです。
呼吸と共にアーサナ(ポーズ)を取ります。
しかし実際はラージャ・ヨガの修行体系を指します。
このヨガについては、ヨーガ・スートラ第2章29節に記述されています。
起源は紀元後10世紀〜13世紀頃で、開祖はゴーラクシャ・ナータです。
「ハタ・ヨーガ」と「ゴーラクシャ・シャタカ」という教典を書き残したとされていますが現存していません。
「ハ」は太陽、「タ」は月をそれぞれ意味し、「ハタ」で「力の」という意味があるとされています。
アーサナ(ポーズ)、プラーナーヤーマ(呼吸法)、ムドラー(印・手印や象徴的な体位のこと)、クリヤー(浄化法)、バンダー(制御・締め付け)などの肉体的操作から成り立っています。
これらの深い瞑想の条件となる強健で清浄な心身を作り出すことを目的としたヨガです。
インドに於いて社会が荒廃していた時期に密教化した集団がハタ・ヨーガの起源といわれています。
宗教的見地からは、身体を使った心のコントロールに重きをおかれることから、低俗なものと見られているところもあるようです。
近代的ヨガのほとんどは、心身の統合を目指すハタヨガから発展されたものです。
「ラージャ」には「王の」という意味があります。
神を悟るための本格的なヨーガとされていて、「マハー(偉大な)・ヨーガ」とも呼ばれています。
根本教典は聖者パタンジャリが書き始めた「ヨガ・スートラ」です。
「ヨガ・スートラ」の第2章にはラージャ・ヨガの段階について述べられています。
1.ヤマ(禁戒)2.ニヤマ(勧戒)3.アーサナ(座法・ポーズ)4.プラーナーヤーマ(調気)5.プラティヤーハーラ(制感)6.ダーラナー(凝念)7.ディヤーナ(静慮)8.サマーディ(三昧)の8つの段階からなることから、ラージャ・ヨーガをアシュタンガ・ヨガともいいます。
アシュとは、8つ を、アンガには枝、部門という意味があるからでしょう。
日常生活を修行の場ととらえ、善行に励むことでカルマの浄化を図るヨガのことをいいます。
カルマとは、働き、業(ごう)を意味する言葉です。
カルマヨガでは見返りを要求しない無私の奉仕精神をもって行なうことで内面を磨こうします。
カルマ・ヨガの教典は「バガヴァッド・ギーター」でヒンドゥー教の重要な聖典の一つです。
「バガヴァッド・ギーター」はサンスクリット語で書かれた神クリシュナと主人公アルジュナ王子の対話の形で綴られた詩篇(しへん)です 。
このヨガの特徴はアーサナ(ポーズ)がないことです。
開祖は古代に実在し、その後神として崇められたクリシュナです。
神への純粋な信愛を培い、(グルがいる場合)グルを神の化身とみなし、全てを神の愛と見て生きるヨガです。
つまり、信仰によるヨガのことを指します。
バクティは親愛を意味する言葉です。
ヒンドゥー教の聖典「バガヴァッド・ギーター」では、バクティ・ヨーガやカルマ・ヨーガの本質が描かれています。
また、近代の大覚者ラーマクリシュナ・パラマハンサは、「現代においてこのバクティ・ヨーガが最も必要である」と説きました。
このヨガを主軸に据えるグルの団体において、弟子・信者はグルの命令通りに動き絶対帰依することになります。
今なお存命中の大覚者であるサティヤ・サイ・ババやシュリ・チンモイは、弟子の病気などのカルマを引き受けることも行っているようです。
新興宗教の中でも程度の違いこそあれこのヨガを取り入れている団体は数多く実在します。
間違ったグルを師と仰ぐと一生を棒に振ることにもなりかねないため、事前に十分調査をすることが重要だとされています。
このヨーガの修行者をバクタ (bhakta) といいます。
ジュニャーナ(ギャーナ)・ヨーガは、智識のヨガです。
高度な論理的熟考分析により、真理を探るといった哲学的な思索を目指す流派です。
この流派では思想家のクリシュナムルティが有名です。
また20世紀を代表する聖者の一人であるシュリ・ラマナ・マハリシも、このヨガで真理を悟ったといっています。
しかし、一般的には難易度の高いヨーガといえそうです。
このヨーガの行者はジュニャーニ といいます。
マントラ・ヨガとは、マントラを使うヨガのことをいいます。
マントラとは譜歌、祭詞、呪文などのことで密教でいう真言のことを指します。
もともとはサンスクリット語で、「文字」、「言葉」を意味する言葉でした。
ガヤトリーマントラなどを用いて行います。
マントラの中でも特に、神の名前を繰り返し唱えるヨガのことジャパヨガ (Japa yoga)をいいます。
クンダリ二ーヨガとは、ヨガの中でも完成度の高いヨガであるとされています。
ムーラーダーラに眠るというクンダリニーを覚醒させ、身体中の気道やチャクラを活性化させる、悟りを目指すヨガのことをいいます。
クンダリニー・ヨガとは、マントラを使った瞑想で身体と魂と心の融合を図る、気づきのヨガです。
密教の軍荼利明王は、そのクンダリニーを象徴化したものです。
クンダリニー・ヨガは別名ラヤ・ヨガとも呼ばれています。
クンダリニーの上昇を感じたからヨガが成就したというわけでなく、その時点ではまだ初期の段階に過ぎません。
クンダリニー・ヨガはトップアスリート達にも注目されています。
特に、「火の呼吸」と呼ばれる呼吸法は格闘家に愛用者が多いようです。
火の呼吸とはクンダリニー・ヨガ特有の呼吸法のことをいいます。
火の呼吸は短時間で酸素を取り入れ毛細血管まで循環します。
そうすることで、そのポスチャー(動きの型)の効果をより引き上げる力があります。
クンダリニーヨガは、自己流で単独実践するには危険が伴います。
なぜなら、クンダリニーが一旦上昇を始めると、本人の力だけではそれをコントロールできなくなることがあるからです。
クンダリニーが上昇して頭部に留まってしまい、それを再び下腹部に下げることも、頭部から抜けさせることもできなくなったりします。
つまり、発熱や頭痛、またそれが長期に渡ると、脊髄を痛めたり、最悪の場合精神に異常を来すことさえあるのです。
従ってこのヨガは、自己流又は単独実践は避け、自身がクンダリニーの上昇経験を持ち、且つそれを制御できる師、に就いて実践すべきとされています。
クリヤー・ヨガは大叙事詩ヨーガ・スートラで説かれるラージャ・ヨーガの第二段階「ニヤマ」のうち、苦行、読誦、自在神への祈念の三つをと行なうヨガのこといいます。
分かりやすくいうと、クリヤー・ヨガとは鍛錬・勉強・そして自己の降服によって浄化を図るヨガの総称です。
不老不死を目指すことを目標としています。